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ワークショップ・特別講演・シンポジウムの内容
特別講演

9月3日(日)13:50~14:50

「チンパンジーの描画」 講演者 松沢 哲郎 (京都大学高等研究院)
司 会 下村 美刈 (愛知教育大学大学院)

チンパンジーの描画行動について3つのことがわかった。①自発的に描く。とくに食物等の報酬はいらない。②具象を描かない。赤いりんごを見せたら赤で描くとか○を描くということはない。③個性がある。長い線を好む者、短い線の者、点描を加える者など、見慣れるとタッチでだれだかわかる。自由描画でなく絵本等のいたずらがきも面白い。描画の進化的起源について考察する。
HPで公開している描画を参照されたい。http://langint.pri.kyoto-u.ac.jp/ai/

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シンポジウム

9月3日(日)15:00~17:00

「イメージとは何か」 企画・司会 馬場 史津 (中京大学)

話題提供

「自閉症の体験世界と描画との関係 」   明翫 光宜 (中京大学)

自閉症研究や当事者の手記が明らかにしたもの1つとして、認知特性や感覚過敏を中心した自閉症の体験世界である。描画は「クライエントのその時の体験世界」を視覚的に表現された写真と考えることができる。自閉症の体験世界・イメージの世界は、描画にどのように表現されるのであろうか。今シンポジウムでは発達的な描画様式と自閉症の認知心理学との接点を探ることで自閉症の体験世界・イメージの世界に近づいてみたい。

「我々はどこから来たのか、我々は何者か、
我々はどこへ行くのか
―「描画連想法」とイメージ- 」
  牧瀬 英幹 (中部大学)

人間は、言語的存在であるが故に、物事を思考し、新たなものを創造できる反面、自らの存在根拠を証すことの不可能性を抱え込み、苦悩する存在でもある。こうした不可能性と向き合う実践として精神分析が機能するとき、我々はどのようにイメージを介して、新たな「生」を構築していくことができるのであろうか。本発表では、「描画連想法」(描画を用いた精神分析実践)の事例を取り上げながら、この問題について考えてみたい。

「表現媒体の多様性から見る
創作体験とイメージ 」
  加藤 大樹 (金城学院大学)

投影法や芸術療法では、クライエントがその時その場で体験した内容が表現に影響を与える。心理臨床におけるイメージ表現の中で生じる体験とは何か、表現媒体の違いが体験に与える影響について考えていきたい。

指定討論   高橋 依子 (大阪樟蔭女子大学)
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認定描画療法士研修会(NK/NO)・ワ-クショップ(W)

○ 9月2日(土)午前
  NK1/NO1 10:00~12:30  W1~W4 10:00~12:30

NK1

 

①「描画による支援の基礎と職業倫理」

香川  香 (関西大学)

描画による支援の実践には、描画テストや描画療法などに関する専門的な知識や技能の習得が必須であり、これらを最大限に活かすためには高度な倫理観を備えている必要がある。本講義の前半では描画を中心にした芸術作品を用いる支援の全体的な枠組を示し、後半ではインフォームド・コンセントや守秘義務などの職業倫理、ならびに研究方法や成果の公表などに係わる研究倫理に関する基本的事項を解説する。

②「心理アセスメントの基礎」

髙﨑 順子 (金城学院大学学生相談室)

心理アセスメント(心理査定)とは何でしょう。臨床心理学的援助を求めている事例について、よりよい可能性をみつけるために行うものであって、異常の発見やレッテル貼りではありません。その方法は、心理検査だけをもって心理アセスメントとするのではなく、行動観察や面接、心理検査、その他などを主としていますが、これらすべてを含めて広くとらえることが大切でしょう。
そのためにはアセスメントを行う私たちの共感的理解、客観的視点そしてスキルを学び研鑽を積むことが求められます。

NO1

①「描画による心理面接の事例検討」

寺沢英理子 (広島国際大学)

心理面接において言葉以外の表現方法を用いることは少なくない。描画も重要な表現方法の一つである。心理療法における描画の導入にはさまざまな理由が考えられるが、クライエントが子どもであれ大人であれ、有効な手段となりうることは確かである。描画という表現も全てのクライエントに適応できるわけではないが、心理療法における一つの表現方法としてセラピストが関心を持ち研鑽を積んでおくことは大切である。事例をもとにディスカッションを行い、事例からの学びを深めたい。(事例を募集します)

W1

「バウムテスト」

中島ナオミ (元関西福祉科学大学)

カール・コッホによって体系化されたバウムテストは、幼児から高齢者に適用できる投映描画法として、臨床場面だけでなく教育・司法・産業領域などで広く利用されています。ワークショップでは①バウムテストの実施法、②解釈仮説構築におけるコッホの2つの観点、③指標の判定基準とその出現率、④バウムテストの特性などについてお話したいと思います。
(参考文献)
・コッホ著/岸本・中島・宮崎訳(2010)『バウムテスト第3版』 誠信書房
・中島ナオミ著(2016)『バウムテストを読み解く─発達的側面を中心に』誠信書房

W2

「学校で使える描画」

尾藤ヨシ子 (愛知県臨床心理士会)

保健室や相談室を訪れる子どもたちは、ことばではうまく表現できない自己の内面を描画表現することで、自分自身のこころを解放し、本来の元気を取り戻すといったことがよくあります。今回は対話の呼び水として、また絵が苦手な子にも抵抗なく使える「交互色彩分割法」と、介入型の描画療法としての「雨の中の私」画、の二つを用いて、できるだけワーク中心に実施します。色鉛筆、クーピーをご持参ください。

W3

「S-HTP」

纐纈 千晶
(なごや子ども応援委員会スクールカウンセラー)

S-HTPは幅広い臨床現場で用いられる一方で、研究数は少なく、解釈には他の描画テストの知見を用いるなど、独自の指標や仮説が十分に確立されていない。本ワークショップでは、まず、S-HTPの基本的な施行方法からフィードバックまでの流れと留意点を述べる。次に、纐纈(2014)の描画指標「異質表現カテゴリー」を中心に、S-HTP独自の分析方法について事例も提示しながら解説を行う。

W4

「風景構成法」

髙橋  昇 (愛知淑徳大学)

風景構成法は、セラピストが設定した枠組みとItemを順番に描いて構成を図るという特異な技法であり、描き手の情緒のみでなく思考過程をも覗うことができる。クライエント独自の絵と、セラピストに向けた絵は別のものであり、一枚の絵を読み取る力は臨床的な力である。私は無意識への通路としての「穴」のItemを付け加えており、その技法も紹介しながら風景構成法の臨床をお話ししたい。風景構成法を一枚、簡単な生育歴を添えた事例を募集したい(事例提供希望者は大会運営委員会までメールにてお申込みください。締め切りは6月30日とします)。

○ 9月2日(土)午後
  NK2 13:30~16:50  NO2 13:30~16:40  W1~W4 14:00~16:30

NK2

③「心理面接の基礎」

片山はるみ (浜松医科大学)

心理面接とは、心理的な困難を解決しようとしている相談者とそれを支援する者との関係性の進展と終結の過程で、主に相談者の自己洞察と自己成長を促すための心理的空間であり、支援をする者の理論や技法に基づいた行為のことを意味します。この研修では、最も基本となる「傾聴」についてあらためて考え、自らの態度や技術を振り返る機会としたいと思います。

④「描画による心理アセスメントの基礎」

鈴江  毅 (静岡大学)

まず、「描画の基礎概論」として、描画テスト(心理アセスメント・投影法)と描画療法(心理療法・芸術療法)について概観します。次に「描画による心理アセスメント」で、描画によってアセスメントできること、描画テストの種類、描画法の選択、解釈などを解説し、一部描画実習も行います。さらに「実際の使用例」を解説し、 最後に「実施にあたっての注意点」に触れる予定です。

⑤「描画による心理面接の基礎」

高橋 依子 (大阪樟蔭女子大学)

描画による心理面接とは、描画を心理療法として用いることを指しています。当学会では描く過程も大切にしたいと考えて描画療法と呼んでいますが、絵画療法・表現療法・アートセラピーとも呼ばれています。描画療法とはどのようなものかを概観した後、描画を心理療法として用いるときの導入の方法や、実施の際の留意点について解説し、心理療法としての描画の意義を考えたいと思います。

NO2

 

②「描画による心理アセスメントの事例検討」

寺嶋 繁典 (関西大学)

本研修では認定描画療法士資格取得者を対象に、HTPP(HTP)テストや家族画テスト(FDT、KFD)などの描画テストを用いた心理アセスメントに関する事例検討を行います。面接や他の心理テストなどの情報も参考にしながら、絵の解釈の妥当性や所見への掲載内容について考えたいと思います。またアセスメントの結果をカウンセリングなどの支援に、どのように活用するのかについて、参加者間での討議を交えながら実践的な検討を行う予定です。

③「描画による研究法」

馬場 史津 (中京大学)

描画テストや描画法が社会的に認められるためには研究は不可欠であり、現場で活用している人にこそ、研究に取り組んでほしいと思います。臨床現場で生じる疑問が研究の種であり、手間暇はかかりますが研究は難しいものではありません。日頃の臨床活動から少し離れて、受講者の方がそれぞれの関心にそって研究計画をシミュレーションできるように、いくつか基礎的な研究法を紹介します。

W5

「障害のある子の臨床と描画」

髙橋  脩 (豊田市こども発達センター児童精神科)

子どもの臨床は、子どもと家族に信頼をしてもらえないと始まらないし、進まない。関係を形成し深める方法は人さまざまであろう。演者は、絵が好きなこともあり、いかなる年齢でも楽しめ表現できる絵を、診察場面で子どもや家族と楽しみ、関係づくり、育ちや子育ての支援に活かしてきた。ワークショップでは、障がいのある子の臨床における絵の活用の実際について語る予定である。

W6

「動的学校画」

田中 志帆 (文教大学)

動的学校画は、子どもの学校生活における仲間関係や心の状態のアセスメントのために1980年代に発表された臨床描画法で、動的家族画の変法として相互補完的に用いられてきました。しかし、学校画には家族画とは異なる心理的側面、学校生活における教師、仲間関係を映し出すツールとしての意義があります。他の臨床描画法との違いと特徴なども含めて、動的学校画でわかること、わからないことは何か、見る上でのポイントについて、幾つかの事例をふまえて紹介します。

W7

「動的家族画」

山岡 美和 (アートセラピー研究会)
庄司 佳美 (アートセラピー研究会)

バーンズとカウフマンの動的家族描画法が邦訳され、日本に紹介されて40年余りたちます。その訳者の一人である加藤孝正先生を会長とするアートセラピー研究会では、子どもの描画の見方や理解についての事例検討会を重ねて参りました。このワークショップでも、動的家族画の基本を確認した上で、学校現場で描かれた動的家族画を事例としてとり上げ、参加者の皆さんと検討する機会にしたいと考えています。また、描画を検討するためには、描画体験も大切と考えていますので、その機会も設けたいと思います。

W8

「コラージュ療法」

今村友木子 (金城学院大学)

コラージュ療法は、1988年(森谷)に「持ち運べる箱庭」として理論化されて以来、急速に日本の心理臨床現場で用いられるようになりました。雑誌などの写真を切り抜いて画用紙に貼るという単純で実施しやすいプロセスですが、その理論的背景を学んだことがある人は意外に多くありません。今回はコラージュ療法の成り立ちや材料の吟味、導入といった基本的な事柄を学ぶとともに、制作体験を通してコラージュ療法の魅力に触れていただければ幸いです。

* 認定描画療法士研修会基礎コース(NK)は資格認定のための研修会ですが,どなたも好きなNKとWを自由に組み合わせることができます。ただし,資格取得を希望される方は,必ずNK1とNK2を受講してください。なお,この資格取得については研修に関する免除規程があります。詳細は学会HPをご覧ください。

*認定描画療法士研修会応用・実践コース(NO)は認定描画療法士有資格者のみが参加可能です。応用・実践コースでは「描画による心理面接の事例検討」「描画による心理アセスメントの事例検討」の事例を募集します。大会運営委員会のメールアドレス( byoga27.nagoya@gmail.com )まで,「描画による心理面接の事例検討」または「描画による心理アセスメントの事例検討」と記載してご連絡ください。

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